シルヴィア・クリステルが日本に膾炙した時代
『エマニエル夫人』は1974年の作品で、シルヴィア・クリステルはおそらくアラン・ドロン以降、日本で最も知られたフランス映画女優だったかもしれない、あの当時。
クリステルはオランダ出身だが、いかにも「フランスっぽ」かった。
カトリーヌ・ドヌーヴも名前は知られていたが、彼女の作品を実際に鑑賞した人はそう多くはなかっただろう。
多くの日本人に愛され続けるカトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画が『シェルブールの雨傘』だけれど、しかしそうそう多くの一般日本人が観ているとは思えない。
しかも『シェルブールの雨傘』はフランス人にとっても特殊な内容を持つ作品である。
「好奇心」ルイ・マル監督
「好奇心」ルイ・マル監督
この作品は1971年のもの。徐々に母親に対して性的関心を募らせ、とうとう近親相姦にいたるストーリーだが、反省も抒情もない登場人物たちは、2000年代の日本人に似てなくもない。知的キャパシティ以外は。
■
「ドレスデン、運命の日」 ローランド・ズゾ・リヒター監督
平板なメロドラマ、平板な演出・・と思っていたら、ドレスデン空爆が近付くあたりから俄然おもしろくなってくる。見事な画作り。フリードリヒの絵画にも似て。
「28日後...」ダニー・ボイル監督
わたしの読書法の一つ
例えばわたしにとって、アルチュール・ランボーやボードレール、フランソワ・ヴィヨンなどの詩人、あるいはギュスターヴ・フローベル、ジェラール・ド・ネルヴァル、ユイスマンスとかまあエミール・ゾラとか三島由紀夫とか、はたまた宮沢賢治とか、一度読んで終わりとかでなく、生涯手元に置いておき、何度も読む、ページを開く、そんな本なのですね、こうした人たちは。
しかしこれら「生涯の書」だけの読書というわけにはいかないので、当然ながらこれら以外の本も大量に読むわけである。
わたしは常に10冊以上の本を手元に置いて(自分の家で、ですよ)、その時々の気分によって読書しているといったお話はこれまでに何度もしているけれど、まあそのようなやり方も、大小様々な改良を加えながらやっておるわけですな。
「10冊上の本を手元に」と言っても、その時々で「特にどの本に集中するか」という点も、いつも検討の対象となります。
で、今「読書中」の本の一部を挙げますと、次の湯ような感じ。
『ユダの山羊』ロバート・B・パーカー
『居酒屋』エミール・ゾラ
『二十世紀論』福田和也
『フランス流テロとの戦い方』山口昌子
『白鯨』ハーマン・メルヴィル
『日本語全史』沖森卓也
『すばらしき愚民社会』小谷野敦
『プレイバック1980年』村田晃嗣
『人体の限界』山崎昌廣
『マタハリ』マッシモ・グリッランディ
『カネを積まれても使いたくなる日本語』内館牧子
この中で、『居酒屋』は「生涯ずっとページを開き続ける本」の一つ。
『白鯨』ってまだ通して読んだことなかったのですが、こりゃやはり凄い作品です。
これだけの作品、「生涯にずっとページを開き続ける」ことをしなければ、しっかりと理解などできるはずがない。
で、前記のリストでちょっと毛色が変わっているのが内館牧子の『カネを積まれても使いたくなる日本語』だと思うでしょう。
わたしも思います(笑)。
内館牧子は元横綱審議委員会委員としてのイメージが強いけれど、プロレスファンとしても知られていて、『プロレスラー美男子烈伝』という本も出している。
けれどこれちょっとだけ読んだことあるけれど、(う~ん)というところだった。
要介護3の母、最近のベスト1映画。
わたしの母は要介護3で自宅で暮らしていますが、最近観た映画で一番気に入ったのが『運命の女』です。素敵でしょう?はい、母自慢です。