シルヴィア・クリステルが日本に膾炙した時代
『エマニエル夫人』は1974年の作品で、シルヴィア・クリステルはおそらくアラン・ドロン以降、日本で最も知られたフランス映画女優だったかもしれない、あの当時。
クリステルはオランダ出身だが、いかにも「フランスっぽ」かった。
カトリーヌ・ドヌーヴも名前は知られていたが、彼女の作品を実際に鑑賞した人はそう多くはなかっただろう。
多くの日本人に愛され続けるカトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画が『シェルブールの雨傘』だけれど、しかしそうそう多くの一般日本人が観ているとは思えない。
しかも『シェルブールの雨傘』はフランス人にとっても特殊な内容を持つ作品である。